&‐アンド‐
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私はそれを見て、ニコッと笑う。
「じゃあ、モンスターボールに入ってくれるよね」
鞄をゴソゴソと探って、モンスターボールを出す。
何かあるかと思って、一応ポケセンで買ってきておいた。
まさか、こんなすぐに使うとは思わなかったけど。
ポンッ
ガーディはモンスターボールに入ると、しばらくゆらゆらと動いていたが、カチッと物音が響く。
捕まえる事ができたのだ。
「よし!」
私は、モンスターボールを拾うとさっそくガーディを出した。
「ワオン」
「んじゃ、キズぐすり」
シューッと吹きかけて、体力回復。
少し手が麻痺していたようだから、木の実もあげた。
「はい全員しゅーごー。新しいお仲間よ。いじめたらご飯抜き!」
「「「!!!」」」
「そして“ほのおのいし”を見つけた奴には特別ポケモンフードを買ってあげよう!!」
「「「!!!」」」
「つーことで、よろ」
ガーディは頑張ってレベル上げしても進化しない。
ファイヤーレッドの時は苦戦したな……
レベル80くらいになっても進化しねぇんだもん←
「何やってるの?」
「うぎゃあ!!!」
「…」
いきなり背中を叩かれ、相変わらずヒロインらしくない悲鳴を上げる。
後ろを振り向けば―――
電波君。
「うあああ…ご、ごめん。Nマジごめん」
「いいよ。気にしてないから」
そんな何気ない言葉が心に突き刺さるよN様。
「そ、そ、それよりN。ど、どしてここに?」
「観覧車に乗りたくてさ…ここ、一人じゃ乗れないんだ。だから、一緒に乗ってくれる人を探してたんだけど―――」
「なるほど」
「で、リリィを見つけて声をかけようかと思ったらトモダチがいっぱいるし。リリィの手は血まみれだし」
「狽ヘっ!!忘れてた!!!」
「…君は、よく怪我するよね」
ガーディが切ない声を上げた。
まるで僕が悪いんだ、と主張しているかのように。
「……珍しいトモダチがいるね」
「あ、うん。なんかここにいたから、捕まえた」
「…リリィは、ポケモンを捕まえるんだ」
「え」
「そんな事、しちゃ駄目だよ」
Nは私の左手を取ると、血まみれの手を―――
舐めた。
「っ////!!!!!」
「傷が、深いよ」
「う、あ…///!!」
襲 っ て い い で す か←
駄目だ。
Nの顔が見えない。
見れない。
恥ずかしい。
そして嬉しい←
だけど恥ずかしい。
襲うよ。マジで襲っていい?(問題発言)
「んー…血が止まらないや。リリィ、何か包帯持ってない?」
「うはぁ!!?あ、え?包帯!!?あるよ!!」
鞄から包帯を取り出して、Nに渡す。
駄目だ。もう何も考えられん///
ちなみに、本当に私はよく怪我をするので包帯は常に常備。
ポケセンで購入。
「気をつけてよねリリィ」
「め、めんぼくねぇ」
Nは手から口を離して、包帯を巻く。
慣れた手つきで、どんどん巻いていく。
それは、きっと。
小さい頃の―――…
「N」
「何?」
「観覧車、乗らない?」
「いいの?」
「Nに、聞きたいことがあるんだ」
きっと、私は上手く笑えてなかっただろう。
ただ、心苦しくて。