&‐アンド‐

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「っしゃああああああああ!!!ユニランゲットおおぉぉ!!!」




部屋で一人、ガッツポーズをとる私。
となりから「うるせー!!」等と兄に言われたけれど、気にしない。
隣で友人のケイがドン引きしてても気にしない。
なぜって…?通信交換でようやく手に入ったユニラン!!!
カセットはブラックを買ったからな…



「すっごい喜ぶね…」

「どーしてもこの子欲しかったんだぁ」

「私はブラックが欲しかったわよ。なのにリリィがホワイト買えって脅すから」



別にいいじゃないか。
ケイはレポートを書いて、電源を落としてからDSを閉じた。




「それより、Nに会えた?」

「観覧車フラグううぅぅぅ!!!!!」

「分かったから」

「ねぇ、ちょ、聞いて!!!」




興奮する私を他所に、苦笑しながらケイは聞いてくれる。
もう全クリしたのに。

いや、全クリしてもね、聞いて欲しいんだよこの気持ち。




「観覧車で二人っきりとか…ッ!!」

「吹くな!!」

「ぶはへへへへ」

「すっげぇ顔。今の写メりたかった」

「そいで、ダークサイドの連中g「ダークトリニティ」



どっちでもええわ!と叫ぶ私にケイの鉄拳を喰らった。

45のダメージ!リリィはマヒした!!




「それがさ…あの電気の洞窟で…」

「ホント、どうでもいいんだね」

「そいで、『N様があなたの事を気にしていました』的な事言ったじゃん!!」

「そうだね」

「アウトオォ!!!!即アウトオオォ!!」

「大丈夫。所詮二次元」

「食らえ!!はかいk「からわわりっ!!」



世界柔道ジュニアチャンピョンだかなんだか知らないけど、そんな奴に体術で敵うわけねぇ。
つか、そのまま脛にチョップが当たったんだけど。
かわらわりですか。痛ぇよ。
弁慶だって泣いちゃうんだぞ!!




「はいはい。Nラヴなのは分かったから。あたし、塾あるから帰るよ」

「うん。ありがとねー」



DSをポケットに入れる。
玄関にケイを見送ってから私は部屋に戻る。
あ、洗濯物入れてなかったっけ。




「兄ちゃーん、洗濯物入れるからたたんで」

「ちょっと今ポケモンリーグ」

「意味わかんねぇよ。まぁいいし。後で代償として兄ちゃんのプリン食うから」




止めてくれー!と言う叫びの声が聞こえた気がしたけど、気にしない。
ベランダに出る。
あ、マンション設定でお願いしますwww
洗濯物を取り入れようと、台に乗ったとき。




ずるっ





「あっ―――」





柵より台に乗ったため上半身が出て、上着のポケットに入れていたDSが落ちる。


せっかく、せっかくのデータが…!!
データ…
つか、それより4580円…!!!
4580円と…




「Nとのイベントおおおぉぉぉ!!!!」




次はNのイベントがああああ!!!


私はDSを取ろうと、柵から身を出した。
自然と、落ちて。




ずるり、と柵から落ちた。





やば―――





ここは5階。
下は何も無いコンクリ。
このままじゃ、確実に死ぬ。






手が、DSに触れた。








その刹那。



まるで御伽噺のように―――
突然眩い光が、私を覆った。
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