黒の祓魔師
□第6話
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「あなたのその目の奥に隠された、暗くて陰湿な色にボクはどうにも、好きになってしまったようです」
「…剥数!?やばい、俺モテ期!!!?」
って、ちゃうわ!!!
一人でノリツッコミ。
だけど、アマイモンは首を傾げるばかりでサクの目から視線を逸らさない。
「あの…そろそろ帰ってくれませんか」
「嫌です」
「俺には好きな人が居ます。と言う事で君を好きになれません」
『嘘!!?俺、初耳なんだけど』
「黙れピコ!!話がややこしくなるだろうがバカヤロー!!!」
当然そんな事嘘に決まっているのだが、アマイモンは離れない。
「あなたを食べさせてくれたら、退きましょう」
「断る。っていうかマジで帰ってくね!!?怖いよ君!!」
「…あなたは、どうして」
アマイモンはお互いの吐息が聞こえるほど、近くまで顔を寄せる。
「死神になどと、なったのですか?」
その言葉は。
サクに隙を与えるのに十分な言葉だった。
(“カアサン“はね、お前の事を本当に愛していたんだよ?)
(××ちゃん、一緒に死ぬの?)
(愛してるわ…永遠に。)
(今日から俺がお前の僕だ)
(大死神様が何かって?そりゃそんなの―――)
(大丈夫だ、誰もお前を愛さない)
(何故って?)
(みんなお前を嫌ってるからだ)
(助けてよぅ…)
(痛いんだよおぉ…)
(死にたいよ…)
(ならば)
(死ぬか?)
ズキッ!!!
「うぐぅっ…!!!?」
『サクっ…!?』
「頭が…割れる……ッ!!!」
『…!(まずい。記憶が―――)』
「…サクっ!!!!」
タイミングが悪いというのか、良いというのか。
奥村燐が、そこに立っていた。
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