20万Hit企画

□スウィート・ビーチ
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海水浴当日―――







「晴天!絶好の海日和ですね!先生!!」

「デケー声で先生っつーな」

「じゃあ相澤さん?」

「…」

「なんだかむずかゆいですね!いつも先生って呼んでるから、不思議で」




お互いが更衣室で着替え、相澤先生が荷物をもってくれていた。
近くに場所取りをして、それから準備運動。
体をほぐしておかないとね。海に入って足がつった、なんて笑い話にもならないから!





「パーカー脱いで…っと」




私は水着の上に着ていた上着を脱いで、相澤先生にドヤ顔で水着を見せつけた。




「どうですか!!ご満足いただけましたか!!」




選びに選んだ今日の水着。
流行色を取り入れ、それでいて派手すぎず。
相澤先生のことだから清楚なものが好みかと思い、シンプル且つセクシーなベビードール風キャミタイプの水着をチョイス。
我ながら良いセンスをしていると思うよ…!!


そして当の先生の様子はというと。




「先生?」

「…ハァ」

「えっ、だ、ダメでした!?」





まさかの溜息。
やっぱりセクシー路線が良くなかったのかな?
どうしよう、と狼狽えてると。





「…由紀」

「は、はいっ」

「すげぇ…可愛い」

「!!」




相澤先生がすごく真剣な表情でいうものだから、私は思わず赤面してしまった。
好きな人に本気で「可愛い」なんて言われて嬉しくない恋人がどこにいる?


調子に乗って見せびらかした自分がなんだか恥ずかしくなってしまったじゃないか。




「え、えっと!!あ、暑いですね!!いきましょ!!海!!!」

「ああ」



私は照れ隠しに、相澤先生の腕を引っ張って海に勢いよく入って行った。




「つめたーい!!」

「海だからな」




少し足が着かないくらいまで進んでいき、海を堪能する。




「あ、やっぱこの辺でも足着くんですね。せんせ…相澤さん」

「…」

「えっ、ちょっ、相澤さん!!?」




何を思ったのか、相澤先生は私の腕を引っ張ると、さらに深い場所へと移動していった。
さすがに足が使にとなると、海の中であっぷあっぷしてしまう。



「わ、わわっ!!ふ、深いっ!手!!手、離さないでくださいね!!」

「そういわれると離したくなるだろーが」

「わっ、わーーーー!!!!」



相澤先生に、肩を押され、私は先生の手から離れてしまった。
さすがに離されると怖いものがある。




「せんせっ、先生っ!!!お願いッ、戻ってきてください〜〜〜!!」




半泣きになりながら、先生を呼べば、当人は面白そうにこちらを見ていた。




「せんせ〜〜〜〜っ!!!」

「わかったわかった」




私の溺れる姿を見て、満足したのか、再び戻ってきてくれた。
二度と離すもんかと、私は先生の腕にぎゅっと自身の腕を巻き付けた。




「いじめっ子ですか!!本気でびっくりしましたよ!!!」

「次の授業は水難事故を想定したものを取り入れるか…」

「鬼!!!外道!!!」

「離すぞ」

「ごめんなさい」




相澤先生に勿論適うわけもなく。
私は大人しく先生の腕に引っ付いて、浅瀬まで戻ってきた。



「…」

「…一旦休憩するか?」

「う〜〜…そうします」




テンションがやや下がったことに気づいたのか、砂浜までそのまま上がる。
自分たちの荷物置き場まで戻ってくると、一旦私はパラソルの下で休むことにした。




「もー相澤さんが驚かすから一気に疲れちゃったじゃないですかー甘いもの買ってきてくださいよー」

「よし水難事故を課題にするか」

「待って待って嘘です嘘です!授業ではやめて!!!!」

「冗談だ。ったく…ワガママだなウチの姫様は」

「!」




というなり、相澤先生は強引に顎を持ち上げると、そのまま軽く唇を重ねた。
すぐに離れるが、私は突然の出来事に唖然としていた。



「ご満足いただけましたか、お姫様」

「ッッ〜〜〜!!!」






ニヤニヤと最後の最後まで一人勝ちしていった相澤先生に、私は白旗を上げるしか術がなかった。





















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