20万Hit企画

□理想のWedding
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数か月前―――






「先生、式の予約と料理とお花の用意は出来ましたよね。あとは誰を呼ぶかなんですけど…」






とあるマンションの一室にて、私と相澤先生は来る結婚式に向けての準備を進めていた。


ここまで来るのにあっという間のような、長かったような。
あの成人式の時に、再び相澤先生と再会した時に告白されたのは心底驚いた。

勿論私だって二つ返事。
人間、どんな人生辿るか分からないものだね。



さて、本題に戻ろう。




相澤先生との、結婚式。
私はこの人のお嫁さんになれるのだ。


そう。お嫁さん。
改めて自分で言うと恥ずかしい…。
でも同時に嬉しくもあり、相澤先生のお嫁さんになれるという誇らしさもあったり。



人生で一番の晴れ舞台。
女の子の憧れの、綺麗なドレス。
私は結婚式まであと数か月だというのに、ずっとソワソワしっぱなしだった。


誰を結婚式に呼ぼうか。
同級生のA組全員呼びたいけど、皆ヒーロー活動忙しいかな…?
緑谷君なんてこの間ニュースになるくらい大活躍だったし…。


ぐるぐると悩んでいると、相澤先生はただ一言、私に告げた。




「身内だけの結婚式にする」

「えっ」

「最近はヴィランの活性化に伴ってヒーロー達も忙しくなりつつあるのが現状だ」

「でも…」

「でもじゃない。それに俺と違ってお前はヒーローとしてメディアにも大分取り上げられてる。
友人客に交じってヴィランが紛れ込んでもしたらどうする。
それこそせっかくの結婚式が台無しになるだろ」

「…」




相澤先生の言う事は最もだ。
私も緑谷君ほどではないにしろ、そこそこヒーローとして活躍をしている。
だからこそ、恨みを持つ輩も当然いるわけだ。
でも、私はせっかくの結婚式なのに…。
予算の問題もあると思う。結婚式だって莫大なお金がかかるんだもの。



わがままは、言えない、かな…。




「…分かりました」

「…」





私は用意していた招待状を真っ白なまま、戸棚に仕舞い込んだ。
仕方ないね、と割り切って私は次の準備に取り掛かることにしよう。












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