20万Hit企画

□飴色I
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***






「できた」

「いい匂いがします!」




私はソファから立ち上がって、すぐさま食卓へ移動した。





「あんまり材料なかったからこれだけだけど…」

「助かりました〜!大変感謝です…!」




野菜炒め(肉多め)とみそ汁、漬物といった具合でシンプルなもの。
空っぽの胃はその美味しそうな食材をみただけで悲鳴を上げる。
元気よく「いただきます!」と言ってから、私は箸を伸ばした。




「心操君!この野菜炒め美味しいです!!お野菜あんま好きじゃないですけど、おいしいです!」

「良かった」

「隠し味に何か入れましたね?」

「愛情?」「それはいいので調味料を教えてください」





心操君が冗談で言ったのは分かったが、私もあえて辛辣な言葉を述べた。
まさか私がそうやって切り返してくるとは思わず、一瞬硬直してたので笑いながら「冗談ですよ」と付け加えた。





「なんか、こうして二人でご飯食べるって夫婦みたいですね」

「未来絵図ってか」

「隣に子供とかいたら素敵ですよね」

「それ、誘ってんのか?」

「!?」



心操君の言葉に驚いて、飲み込んだご飯が器官に入り込んで咽てしまった。




「ゴホッゴホッ!!?」

「ちょ、おい!ゆっくり食えよ…ほら、水」

「んぐっ…ん、…ぷはっ!」



コップを渡してくれたので、それを一気に飲み干した。




「あなたが急に変な事言うからじゃないですか!!!」

「悪い悪い。でもマジな話さ。結婚してさ、俺達夫婦になったら…
柳崎さん、アシスタントどうするんだ?」

「け、結婚前提の…」

「俺は結婚を前提にお付き合いお願いしますって言ったつもりだったんだけど?」

「私だって結婚考えてますよ!!でもまだちょっと未来の話過ぎてびっくりしただけです!!」




高校生がもう結婚の話を考えるのか!と突っ込めば、計画的だろ?とニヒルな笑顔と共に返されてしまった。




「…アシスタントは止めませんよ」

「だよな」

「嫌じゃないんですか?」

「お前のやりたいことを、お前の人生を俺が止める筋合いはねぇだろ。
そもそも俺がアシスタント活動に口出しする理由は無い」

「…ありがとうございます」

「ただし、ちゃんと無事に帰ってこい。いいか?約束だぞ?」

「そういうフラグっぽい事はアカンやつですよ!」

「はいはい。食ったら風呂入れよ」

「一緒に入ります?」

「いいのか?」

「いいですよ」

「!?」





心操君はまさか私が承諾するとは思ってもいなかったらしく、再び顔を真っ赤にした。
林檎みたい。




「お前、何言ってんだ…!?」

「体洗ってくれますか?どうにも疲れちゃって…」

「!!!?」

「食器片づけたらいざお風呂へゴー!!ですっ!!」

「ま、待てよ!!」




散々心操君にからかわれたんだ。
今度は私が仕返しをする番!!






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