青天の霹靂

□Ride.9
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トントン、と軽快な足取りで階段を上る。
先ほどの言葉については、ただ荒北さんを困惑させてしまうだけだ。
反省反省。



でも…まぁ…





「…ちょっと状況的にはよろしくない事態が…ありつつ、ってとこかな」





この学校に入ったのも。
自分の意思だと思っていたが。






「湊くーん!」






と、思考をいったん止める声が聞こえた。
誰かと思って振り返れば、やっぱりそれは。






「真波君!」

「やっとみつけたよ!お昼休み教室にいなかったからさぁ…」

「真波君もいなかったじゃん?」

「ちょっと先生に呼び出し食らっちゃって…お昼食べ損ねちゃった」

「あらら。じゃあご飯食べる?」

「でももうすぐ授業始まるよ?」

「実は5現は自習だったり!」




にしし、と笑ってみせると真波君もパァッと表情を咲かせる。
つまり、サボリだ。





「じゃあ屋上へトンズラしy」

「馬鹿チャンが!!」





ゴスッ!!と鈍い音が響く。
そして襲われる頭痛。




誰かに殴られた。






「…って荒北さん!?」

「あと福富さんだ」






鈍器と思われる教科書を手に、荒北さんはそこにいた。
既に授業の支度を終えてるとはさすが。






「何サボろうとしてンだよ!!!」

「えっ…荒北さんこそ明らかに普段授業サボってますオーラが出てるのにッ…!!」

「テメッ!!!」

「やめろ荒北」






ガミガミ怒鳴る荒北さんを福富さんは制す。
福富さんは荒北さんとは真逆で、冷静に告げた。






「俺達は部活での好成績を出している。
だからこそ普段の学校生活もしっかりしないと、先生や他の生徒に示しがつかないだろ?」

「はーい!」

「なんで福チャンの言うことは素直に聞くんだヨ…」






そんな先輩方と絡んでいるうちに、始業のベルが鳴る。





「サボるってのは冗談で…それでは、また部活で。失礼します!」






真波君と一緒に教室へ向かっていった。






「福チャン」

「なんだ」

「やっぱ…言わねー方がいいってこともあるんだよな」

「……そうだな」







結局真相解らずじまいで、真波君も昼食を食べ損ねたままだった。




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