黒の祓魔師

□第6話
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ミーンミーン…




「…」

『…』




今回の授業は正十字学園遊園地、通称メッフィーランドにてやるはずだったのに。
一足早く来たサクとピコは待ち合わせの場所で無言で突っ立っていた。

いや。


固まっていたというべきか。
目の前に広がる光景を見て。





「こんにちわ」

「…」

「こんにちわ」

「狽ィ、おうっ!!」





挨拶をされて、ハッとする。
目の前に居たのは。





「ハジメマシテ。アマイモンといいます」




悪魔が、そこにいた。
というより寮からついて来ていたと言うか。
一体何だコイツは。




『…あれ程サクに近づくなっていったのにてめー…』

「ピコ?」




機嫌が悪そうに、ピコは舌打ちをした。
サクは全く糸がつかめぬまま、アマイモンに視線を向ける。
パッと見た感じではただのアホ面(酷い)だと思ったり、このトンガリ頭どうなってんだチクショー
軽くプチ混乱を起こしていた。





「あなたがサクさんですか」

「いかにも…」

「そうですか」

「?」




アマイモンは物珍しそうに、ジロジロとサクを眺めた。




「食べてもいいですか」

「だが断る」




本当にマジでなんだよコイツと思いつつ、サクはピコの肩に触れた。




「とりあえず消しとくか…」

『…』

「ピコ?」

『あ、ああ…そうだな』

「…」




明らかにいつもと違う様子。
何があったというんだろうか。




「…おい、アマイモンっつったっけ?」

「ハイ」

「お前、帰れ」

『!?』

「今日は見逃してやっから…さっさと虚無界に戻れよ」

『サク、何言って―――』




ピコが言うと、サクはニッと笑う。




「そんな顔してるお前を使ってこいつを斬れるワケがねぇよ」





と。
サクは言う。






「死神の癖に、優しいですね」

「…知ってるのか」

「ええ。だからこそ、あなたに惹かれるんです」

「!?」




アマイモンはいきなりサクに飛びついた。
そして、ガシッと両手でサクの顔を掴んで、無理やり目を合わせようとした。




『サク!!?』




ピコはギョッとした表情を浮かべた。









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