黒の祓魔師

□第4話
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「まさか抜き打ち試験だったなんて…」

「すっかり騙されたな!!」

「…少しは可能性考えとくべきやったねぇ」

「ああ〜僕、大丈夫やろか…」

「なんや、そんなもん今考えてもしょーもないで」

「坊や志摩さんはええですよ!…僕ときたらろくに腰立たんようになってたんですから…」

「あんた達は大丈夫よ」




神木が言う。




「奥村先生は試験前…チームワークについて強く念を押してたわ…つまり候補生に求められる素質は“実戦下での協調性”…!」

「ああ、皆で頭を冷やしてくださいって…あれか」

「そう…それでいうと、あたしは最低だけどね」

「お前はまだ全然マシやろ。あいつらなんか完全に外野決めこんどったんやぞ。なんかいう事ないんかお前らえ!?」




勝呂はフードを被った少年と、兎の人形を持つ少年に怒鳴る。
が。




「やった〜〜麟竜の爪ゲット―――改造改造♪」

『…チッ!うるせぇガキ共が!!テメーらと話すことなんかありゃしねーんだよ!!」

「……くぬ……!!」

「喋った!あいつらずっと謎だったんだよな」

「腹話術めちゃくちゃ上手いじゃん…」





サクが呟くと、ベッドで寝ていたしえみが目を覚ます。




「わ、ごめん!しえみ…起こしちゃった」

「ううん…もう大丈夫。大分元気になったよー…皆なんのお話してるの?」

「…試験の事についてな」

「…一番の功労者は杜山さんやな」

「…杜山さんがおらんかったらと思うとぞっとするわ。ほんまにありがとぉ」




勝呂は義理堅いのか、しえみに頭を下げる。




「え?そ、そんな…こちらこそ!」

「杜山さんは絶対合格やな」

「ハハ…でないと俺ら全員落ちます」

「…」

「そおいや奥村君、どないしてあの屍倒したん?」

「あ、それ俺も知りたい!!(死神として…)」



死神として、と言う前に既に燐の力を把握できていない時点でそれはおかしいだろう。
ピコはサクを見ながら思う。
あくまで口に出さないだけ。




「あー……あれ俺はあの剣でグサッと……」

「はぁー…すごいなぁ、騎士の素質あるんやね…」

「何や剣でグサッとて!抽象的過ぎるわ!俺はお前が2番目に謎や」

「まぁな!俺ってこうみえてミステイクな男だからな……ん?2番目?」

「バフォ!!?ちょ、ミステイクて…!」

「一番はサクや」




俺?とサクは自分自身を指す。
てっきり燐が一番だと思ったのだが。




「その鎌…どないな場所から出したんや?」

「あーえーと…4次元ポケットから」

「アホなことあるかい!!」

「それにピコもおらんし…どこいったんや?」

「トイレじゃね?」

「……それに、お前の鎌で屍は即死や。えらい強いんやな。サクは」

「おう。俺は強いぜ……ちょっと、俺もトイレ」

「早く戻って来いよー!」

「解ってる」





サクは部屋から出て行く。
もちろん鎌を肩にかけて。







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