黒の祓魔師
□第3話
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「…はい、終了」
雪男は腕時計を見て呟いた。
「プリントを裏にして回してください。今日はココまで。明日は6時起床。登校するまで1時間答案の質疑応答やります」
「ちょ…ちょっとボク夜風に当たってくる…」
「おう。冷やして来い…」
「朴、お風呂は入りにいこ!」
「うん…」
「お風呂!私も!!」
女子組はお風呂へ向かっていった。
唯一男装しているサクは机に突っ伏していた。
「うはは!女子風呂か〜〜ええな〜〜覗いとかなあかんのや無いんですかね。合宿ってそういうお楽しみ付きもんでしょ」
「志摩!お前仮にも坊主やろ!」
『エロ志摩』
「エロ志摩」
ピコとサクは口をそろえて言う。
「そんなん言うて4人とも興味あるくせに〜〜〜」
「また志摩さんの悪いクセや」
「…一応ここに教師がいるのをお忘れなく」
「「「『…』」」」
「教師いうたってアンタ結局高1やろ?ムリしはんな?」
「無謀な冒険はしない主義なんで」
雪男はクイッと眼鏡を上げる。
するとサクはずる、と机から顔を上げた。
「志摩ぁ、冷えピタ買って来て…」
「どうしたん?サク」
「…ダメだ……熱っぽい…」
「サクも燐と同じように外行ってきたら?」
「……ゆきお…いる…?」
サクは床に寝転がりながら、言う。
しかし、燐と違って顔が赤い。
『…サク?』
ピコは横にいたサクの額に手を当てる。
『おい、雪男。少し見てやってくれ』
「…サクさん、どうかしましたか?」
「ゆきお……あつい……体が…だるい…」
「…!」
雪男もピコの額に手をやった。
「…少し、熱があります(呪符の影響…ですかね?)」
「サク、大丈夫か?」
「俺、布団持って来きます」
「……いい、動くのがだるいし…勝呂、いいよ」
サクは勝呂のズボンの裾を掴む。
「志摩!水道でこのタオル絞ってきぃや!!」
「お、おう!」
『…サク(こいつが熱なんて……ありえない)』
「サクさん、勉強中、熱はありましたか?」
「……ない…なんか、急に……くらっと…」
「この体温計を脇の下に…」
雪男がサクの服に手を伸ばそうとしたが、それをピコが止めた。
『いい。俺がやる』
「…そうですか。音が鳴ったら、再び出してくださいね」
『おう』
「…ピコ」
『……サク、これは呪符の影響だ。しかも対、死神用…しばらく我慢しろ』
ピコはサクに耳打ちする。
サクもそれに答えるように、目を閉じた。
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