&‐アンド‐

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「リリィちゃん!!!」





首を少し、動かしてみればアララギ博士の姿。
そしてその後ろにはベル、チェレン、トウコ、トウヤ。
そしてジムリーダー達に、警察の人々。




ああ、終わったんだな…これで、終わりなんだね…。





「リリィ、大丈夫か!?無理しやがって…」

「その男を捕獲します。アデクさん、宜しいですね?」

「うわっ!!?これ、レシラムとゼクロム!!?」

「その息子に対する処置ですが―――」

「プラズマ団の残党は数名逃げ、僅かばかりしか捕まえることしかできませんでした」

「ちょ、血!!リリィ、血!!!」

「七賢人は全員逃亡―――後、ジャロと名乗る男を捕まえたものの、逃走」

「ヒサキ、大丈夫ですか…?」

「ああ、バル…これでようやくお前も…」

「無理しちゃって!」

「うわああああん!!!リリィ!!!死なないでぇ〜!!!!」

「子供達の安全を第一に、ポケモンセンターへ我々が責任を持って連れて行きます」

「来い!ゲーチス!!」

「今回のことは…公にするにはおまりに…」

「Nも傷だらけなんだね…」

「ダークトリニティの行方は不明のまま。捜査は続行」

「今回の被害、及び、盗まれたポケモンは百を越え―――」

「っていか、ヒサキ姉!いつのまにバル子さんと仲良くなったんですか!!!?」

「い、いやこれには訳があってだな…話すと長くなるし…」

「結果オーライって分けですよ」

「うお!?バ、バル子さん…」

「ヒサキ姉!!いい加減ナイフ下ろして!怖いわ!!!」

「リリィは俺がポケセンに連れて―――」

「トウヤ、あんたも男でしょ?」

「……あー……そっか……うん。」

「邪魔しないでね」

「でもあいつ…大丈夫なのか?今までリリィにしてきたこと…異常じゃないよ?」

「チェレンも乙女心がわかんないかなー?それだからリリィちゃんは振り向いてくれないんだよー」

「ちょ、ベル!!!?」

「アララギ博士。今回の事件はワシが責任を持って―――」

「…盗まれたポケモン全て持ち主へと帰されます」

「ゲーチスの処遇については…」






ざわざわと、あんなに静かだったのに一気に騒がしくなる。
色んな人の声が聞こえて、安堵する。
Nが傍にいて―――…





「お願い…N。最初で最後の約束でいいから…次に私が目を覚ますまで、傍にいて…?」

「…うん」





意識が、混濁する。
まだ現実世界には戻らない。
戻れない。Nにまだ伝えることは山ほどあるんだから。





「…傍に、いるよ」

「絶対だよ……」

「ずっと……君の、傍に……」






力の入らなくなった手を、Nは優しく取った。
約束を誓うかのようにそれを自分の胸元に。







「…君は僕の英雄だ」









その言葉を最後に、私は目を静かに伏せた。



































34:傍に、傍に、永遠に。





































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