&‐アンド‐

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「さて…ポケモンはどこにいるか、だ」





牢屋から出て、しばらくあたりをうろうろしていると何かが横切った。
思わず身構える。





「な、何!?今のっ」

「ベル、静かに」



それは向こう側に曲がっていったが…
私はそれを確認するために、先陣を切った。





「ヒサキ姉…」




トウヤが言いかけた時。





「うわあああああああああああん!!!!」

「買Oフォッ!!!」







何かが突っ込んできて、そのまま勢い余って後ろに倒れた。





「ぞ、ゾロア!!!」

「え?」




痛みを抑えながら、顔を起こしてみれば私の服にしがみ付いて号泣しているポケモン―――
ゾロアだった。
しかも、こいつはリリィの…。




「リリィがぁ…リリィが…」




これは、テレパシーか。




「リリィじゃあ無くなっちゃった…」

「どういうことだ!?」

「Nに、洗脳されて、おかしくなって、でも、リリィの面影はあって」

「洗脳…バル子が言っていた薬のことか」

「わ、わかんないけど…リリィを助けて!!!」





私は無言でゾロアを抱きかかえた。
こんな小さいのに、とても重かった。
これが命の重さかな…。




「分かってる」





そう呟いて、ゾロアの頭を撫でた。






「ヒサキさん」






と、チェレン。






「ここは2つのグループに分かれるってのはどうですか?」

「それじゃあ逆に危険だ」

「いえ、団体だと逃げづらいです。あえて散ったほうがいいでしょう。敵も一つに集中してしまいます」

「む…」

「ここは僕とベル。トウコとトウヤそれにヒサキさんとゾロア…」

「…いや、ここは3つで行こう。私はゾロアと行く」

「ヒサキ姉!それじゃあ危険すぎるよ!!」

「フフン。大人の私に子供のお前らが付いてこれるとでも?」

「…それは」





まぁ私の運動神経は並大抵ではないからな。
走ったら置いてってしまうだろうし。
ならば、ここは私が単独(ゾロアと一緒)になったほうがいいだろう。




「私なら心配ない」

「…では、いざとなったらライブキャスターで連絡を取り合いましょう。ヒサキさんのは…」

「私のは…」




4人の番号をゲットする。
これなら、安心だろう。




「深追いはするな。それこそ逃げろ。置いていっても構わない」

「分かりました」

「バトルは控えろよ」






そういうトウヤが一番危ないんだけどな。
あいつはすぐに熱くなる…。




これだから子供はめんどうだ。




それに、大人よりかはまともだと思う。
どっかのバカ子にくらべたらな。
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