黒の祓魔師
□第7話
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雨の音が、妙に煩く聞こえる。
雨音に紛れて、足音が聞こえた。
「お前はさ」
俺の目の前には、虚ろな瞳で座り込む一人の女。
長く黒い髪はボサボサで…雨にぬれていた。
「何で未来に希望を持つんだよ」
そんなになってまで。
そんなにボロボロになってまで。
この世にもう未練なんてないくらいなのに。
それでも、足掻く。
「人間、だから、か?」
どんなに苦しくても、生きてるから捨てきれないのか?
そんなに嫌だったなら。
「俺が助けてやるよ」
それは思い出の断片。
人間を捨ててまで、したかった事って一体なんだ?
お前はなんで笑っていられるんだ?
もう人じゃないくせして、どうして人間よりも人間らしいんだ?
「…終焉を、迎えるため」
ぽつり。
こぼした言葉は、その一言。
「全部全部全部、ころしてやる」
嗚呼。
コイツは本当は―――
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