□危険信号
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『ひひんっ、ちょ、待って?もう一度考え直そうよっ』
 
部屋まで引き摺るように連れ込まれ、敷かれた布団の上に突き飛ばされた。
布団はふかふかだけど、摩擦で少し頬が痛い。
 
『ちゃんと隅々まで洗いましたか?』
『洗ったよ!…っていうかさ、こんな事やめよう!?ね?』
『芭蕉さん。』
『止める気になってくれた!?』
 
私の上に跨る曽良君。
曽良君はどうしてこうも、圧力って言うか、オーラっていうか、そういうのを放ってるんだろう。
なんかこう、逃げられない感じ…?
 
『あまり叫びすぎると、人が来ますから気を付けて下さい』
 
ああ、ほら。
逃げられない。
 
 
 
 
『いっ…いたたただ!?曽良くん、もっと、優しく…』
 
排泄が役割である秘部に曽良くんの指が突き立てられ、内部で無遠慮に蠢く。
痛い。
初めて他人にそんな処を触れられる羞恥よりも、色気も糞もないこの雰囲気で抱かれるのかと信じられない気持ちの方が大きい。

『いたっ、む、無理だって!』
『大丈夫ですよ』
『何を根拠に…女の人じゃないもの、入るわけないだろ!』

うつ伏せにされていた体勢から、肩越しに曽良くんを涙目で睨む。曽良くんは欲情した素振りも見せず、冷めた顔のままだった。

おかしいだろ。
そもそもどうしてこんな年寄りを抱こうと思うんだよ。
 
 
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