じゃがー
□海
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8月も目と鼻の先に差し迫った7月の某日。
『ピヨ彦、海に行こう』
どっかの旅行会社の広告みたいな台詞が、いきなりジャガーさんの口から聞こえた。
因みに今、僕らがいるのは冷房器具の無い熱気の篭もる部屋で、海≠ニいう言葉のイメージとは大きくかけ離れていたりする。
『海…って、どうしていきなり』
『前、一回行ったきりだろ。あん時はハマーの所為であんまり遊べなかったからなぁ』
『まぁ…そうだね。じゃあ、いつ行く?』
僕がケータイを取り出して、スケジュール機能のカレンダーを開く前に、
『今』
ジャガーさんが至極当然そうに言った。
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