じゃがー

□desire
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何かをしたいっていう
純粋な願望は、
どこから沸き上がってくるのかな。


−−−−−


ジャガーさんと二人、深夜番組のちょっとだけエロいドラマを観ていたら、
CMに入って直ぐ位に、ぼそりとジャガーさんは呟いた。

『ピヨ彦は、フレンチキスしたことある?』
『フレン・チキス?』
『ある?』
『な、なにそれ…?ないよ』

聞いたことも無い人名みたいな、外国のゲームみたいな単語。

『それ楽しいの?』

疑問を呈した僕に、ジャガーさんは一瞬呆気に取られたような顔をした。

『まだまだ子供だなー、ヒヨコだけに』
『なっ、そういうジャガーさんはしたことあるの?』
『ある』
『……』

ある、と判然と言われてしまっては、何も言うことは出来なくなる。
口を噤んだ僕に、ジャガーさんは少し距離を詰めて来た。

『してみるか?』
『で、できるの?今?』
『ピヨ彦が目、閉じててくれればな』
『うん…』

瞼を落とせば、部屋の明かりをうっすらと感じた。

僕の髪に、ジャガーさんが触れる。

なにをするんだろう
少し、こわい。


と思った、次の瞬間には、唇に温かい何かが触れてきた。
それは優しく、僕の上唇と下唇を開いてくる。

…ん?
これ、って…

その出来た隙間から、ヌルリとした物体が侵入してきて−…
って、ちょっと!

『ひゃかーはん!なにひてん、…ん!?』

目を開けば、間近にジャガーさんの顔。
喋ればどうやったってジャガーさんの舌に触れてしまう。
止める気はないらしく、髪を触っていた手で、ぐっ、と僕が逃げられないように力を入れてきた。

『やらっ、…ぅ』

ジャガーさんは首を斜めにして、更に深く僕の咥内を占拠してく。
口の中が、熱い。

『…んーっ、…むぁっ』

息苦しくなってきて、どんどんとジャガーさんの背中を叩いた所で、呆気ない位にあっさりと唇は離された。

『これが、フレンチキス』
『……キス……フレンチ、キス…ぅっ!?』

あー、そういう区切り方ですか…。
気付けなかった自分が情けなくてありゃしない。

『いやー、ピヨ彦から誘われる日が来るとはねぇ』

もう、顎に指を宛ててニヤニヤするジャガーさんを否定できるだけの気力は残ってなかった。


だって、
ほんの少し、ホントに少しだけだけど、
もっとしてたかったなんて考えてしまったから。



end

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