一次小説集

□透き通った空 file 2 甦りし過去
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――明日どこで遊ぶかって?そうだな……明日決める!明日はまた新しい考えが浮かぶかもしれないだろ?それじゃ、また明日な!






……バッ…



「……また…夢……」

古びた振り子式の時計が午前1時を指す。

屋敷の一室で一人、彼女は目を覚まし、窓の外を見る。


――雪…

いつの間にか予報にはなかった雪に自然と身体が動く。

彼女の手が大きな窓を押し、ゆっくりを窓が開く。

外の冷たい風が暖房によって温められた部屋に少しずつ入り込む。

顔に感じる凍り付いた空気。

暖房でほてった身体に感じるそれは彼女のぼんやりとした意識を一ヶ所に集めて覚醒させる。



自然に手が降り続く雪に伸びる。



もう少しで届かない。



無表情のまま窓を閉める。

いつから表情を無くしたのだろうか。

笑うことも泣くことも怒ることも何もない。いや、感じさえしない。



――ズキッ……



「……っ!?また…発作……」

フラフラと薬に手を伸ばし、それを一つ飲み込み、ペットボトルの水を飲む。

そのままベッドに入り、眠気を感じたままに目を閉じて、茶越菜梨は……眠った。



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