□アステリズム
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「暑い」
「暑いよ」
「アイス食う」
「うん、あたしチョコミントね」
「ずりィや、俺がチョコミントでィ」
「「じゃんけんぽい!」」


時間は午後11時50分くらい。七月に入って夜の暑さはさらに増していく。パーを出して負けたあたしは総悟にチョコミントを譲ってやって自分は普通にバニラのアイスの蓋をあけた。あ、周り溶けてる。


「天の川見えやせんねェ」


天の川が見たいという小学生のような総悟のわがままに付き合ってあげているあたしはかなり優しい幼なじみである。あいにくの曇りで星は隠れて見えない。けれど総悟はなかなか諦めようとしなかった。


「総悟ー、明日学校だし帰ろう」
「嫌でィ」
「なんでまた…」


携帯の画面を見ると時刻はもう12時を過ぎていた。七月八日。七夕は終わってしまったのだ。今日は学校で飾っておいた笹を片付けなくてはいけないだろう。


「総悟、八日になったよ。帰ろう」
「今日は何の日」
「は?」
「俺の誕生日。お前が一番最初に祝って」
「あ、そういえばそうだったね!」
「どーせプレゼントなんて用意してないんだろ」
「まあ「お前がいい」


ちゅ








2009/7/8 壱華
アステリズム、あるいは星群とは、複数の明るい恒星が天球上に形作るパターンである。しばしば、星を線で結んで表現される。
沖田誕生日おめでとう






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