□周波
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「日吉くん日吉くん」


もうこれで今日何回目になるだろうか、この先輩はさっきからしつこく俺の名前を何度も何度も呼んでくる。


「なんですか」
「えへへー、なんでもないよ?」


このやりとりも何回目だろうか。ずっと同じことの繰り返しで、真面目に日誌を書いている俺の身にもなってほしい。というかなぜこの先輩は部活をほったらかして俺のクラスにいるのだろう。跡部部長に俺を呼んでくるように言われたのだろうか、なら急がなくてはいけない、そう思いシャープペンの動きを早くした。


「日吉くん日吉くん」
「なんですか」
「跡部くんが呼んできてーって言ったんじゃないよ?」
「…は?」
「私がねー、日吉くん一人で日直寂しいんじゃないのかなーって思ってきたの!」


まぁ跡部くんも早く来て欲しいとは思ってると思うけどねー、と先輩は続けてにっこりと笑った。


「あれ、もしかして私じゃなくて鳳くんとかが来た方がよかったかな?」
「いいえ」
「あ、そう」


淡泊な答えを俺に返して先輩は黒板に落書きを始めた。描かれていくのはそれぞれの個性をきちんととらえたテニス部レギュラーの面々の似顔絵。その中にはちゃんと俺もいてなんだか少し嬉しくなった。


「日吉くん日吉くん」
「絵、上手ですね」
「!」





周波


2009/02/24 壱華
初めて書きましたよ日吉←
なんか先輩設定ですね。ツンデレじゃねーよ、ごめんなさい!
大好きな沙耶さんへ!


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