□どこにいるの
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小さい頃からあいつはかくれんぼをするのが好きだった。しかも隠れるのがもの凄く上手いもんだから探す側の俺の方が大変だったのもよく覚えている。だけど俺が見つけてやると本当にきれいに笑って喜ぶんだよなあ。なあ、今はどこに隠れてる?


「総悟、いい加減にしろ」
「何言ってるんでさァ、土方さん。俺はあいつとかくれんぼしてるんだ、邪魔はやめて下せェ」
「もうあいつはいねぇんだ、お前が一番よく分かってるだろ」
「あいつがいない?そんな訳ねェや、今もどっかに隠れてるんでィ、俺が探してきまさァ」


そう言って土方さんは珍しく哀しそうな顔をした。どうしたんでィ、俺が見つけてきてやるって言ってんだろ、そんな瞳で俺を見るなよ、何が不満なんだ?もういいかい、俺は小さく呟いて屯所の中を走り出した。



どこにいるの


知っている、知っているんだ、お前がもういないなんてことくらい。けどどこかに隠れている気がしてならないんだ、だっていつも俺が見つけられなかったらやっぱりきれいに笑って俺の目の前に出てきてくれるだろう?なあ、またあの高い俺の好きなソプラノの声でもういいよ、って言ってくれよ、







2009/02/06 壱華
なぜか理科の時間に思いついた沖田の切なめなお話。
沖田とヒロインちゃんは両思いだった設定ですがヒロインちゃんが亡くなってしまって沖田はまだ認めたくなくて、って感じです





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