ゆくえ〜の字を書いてくれたのは父
「虚心」と言います。

CD発売した先月父は亡くなりました。
最初で最後の共同作品。CDは遺作になってしまいました。

今年の1月1日お正月に入院し、肺癌だと診断されました。

タバコが原因でずっと肺が悪かったのですが、まさか癌になるとは思いませんでした。

父は昔から様々な話を私にしてくれました。
読んだ本のこと、歴史のこと、今の社会の有り様、日本人について、などたくさんのことを教えてくれました。夜中まで話をしたこともありました。

本人には言わなかったけれど、私の心にはいつも父の影響がありました。
そしてとても尊敬していました。

ゆくえ〜の字を書いてくれた7月末、まだ元気だったのです。
私が字を書いてほしいとお願いしたら、早速お母さんに柔らかい細い筆を買ってきてとお願いしていました。

この言葉は柔らかい字以外は書けないだろうと。。。

思えば、この頃から命が長くないことをわかっていたのかもしれません。。。

秋を迎えた頃、だんだんと筆が持てなくなりました。

寒くなるにつれて体も急に悪くなってきました。

ある時、父本人から
『お父さんはもう長くないから覚悟しておいてくれ』
と言われました。

それから天国へ行ってしまうまであまりに短い時間でした。


CDを買って下さったある方からこんなことを言われました。

「お父さんはちゃんと近くにいるから大丈夫。今までのようには会えないだけでここにちゃんといるから」

と言われました。

その方もすこし前にお父様を亡くされたそうです。

「今はそう思えるようになったんだよ」

と。。。


ゆくえ〜とは魂が帰るふるさとのことです。
それは父が帰っていった場所です。

遠く遠く、遥か遥かは本当はとても近いところにあるかもしれない。

そばで父が見守ってくれているように。

ゆくえはきっと、
QiQiの描いたイラストのように暖かいところなのだと思います。

だってふるさとですから。

虚心は虚心坦懐からとっているそうです。

わだかまりのない心という意味だそうです。

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