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□初めての温もり
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アレルヤは食事を摂る為に食堂に向かうと、向こうから出てきたティエリアに会った。
ティエリアと一瞬だけ目が合ったが、すぐに逸されてしまった。

「やぁ、ティエリア。今日は何を食べたんだい?」
なんとか話せないかと質問したら
「君には関係ない。」とバッサリ切られてしまった。
この間の事を根に持っているらしい。
それでもめげずにアレルヤは会話を続けようとする。

「ね、ねぇティエリア、君の好きな食べ物って何?」
会話が続けようと粘るアレルヤ。
「それこそ君には関係ない。」
と呆れ気味にはたまたバッサリ切られてしまった。

しばらくこんなやり取りが繰り広げられたが、最後には
「いい加減にしてくれないか。」
と言われて何も言えなくなってしまった。


「う、うん…。それじゃあ僕はご飯にするよ…」

そう言って立ち去ろうと踵をかえした。
が、次の瞬間アレルヤは立ち止まった。
ティエリアが手首を掴んだからだ。

「どうしたの?」

「あ、いや…。なんでもない」

短く問うと、ティエリアは気まずそうにうつむいてしまう。
そんなティエリアの反応が可愛く思えたアレルヤはぎゅっ、とティエリア抱き締めた。

初めての感覚にティエ
だが、苦しくなってきたので、なんとか手を中心部から出して、ぱしぱしと背中を叩くとやっと開放された。

「な、何をするんだ…」

「ごめん。でもティエリアが可愛くて」

そう満面の笑みで言われたので、ティエリアはこれ以上何も言えなくなる。
言葉に詰まっているティエリアの顔は真っ赤だ。

「ははは、ティエリア顔真っ赤」

少しばかりからかおうとすると、怒りに触れたのか
「〜!失礼する!」
と言って自室に戻ってしまった。

「やっぱりティエリアは可愛いなあ」
その言葉を聞いたのは、内なるもう一人の自分だけだった。






†触れた指先にうずく熱
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