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□白い雪に赤付くハート
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「うぉー!すげー!見てみろよ!獄寺!雪積もってる!!」

「っせーーー!!そんな叫ばなくても聞こえてるよ!!!!」


俺は山本の大声でベッドの中で目を醒ました。

覚醒してきた頭でよく思い出した
昨日は山本が俺んちにとまりに来たんだった

俺がソファで寝るというのを無視して山本は俺をベッドに押し倒して、無茶苦茶に抱いた。
おかげ様で、腰は痛いし喉は少しかれていた
おまけにまだ俺は裸。窓から見える景色は実に寒そうだった。


「あはは、でも雪降るとテンション上がんね?」

「上がるかっ!!ていうかお前のせいでまだ俺は眠たいんだよ!」

寝かせろー、と一言言ってベッドに潜りこめば山本も窓から離れベッドの上に座ってきた

「ははごめんな、獄寺ー」

手を伸ばして俺の髪をくしゃ、とするようになでる
それが妙に気持ちよくて、俺はいつも寝そうになる


あいつの俺より少し大きい手
俺を包めるような大きい腕
引き締まった胸板

俺しか触れないと思うと、なんか優越感で胸がいっぱいになれる
幸せだ。
そう思えるから


「んー…」






くすぐったそうに身を捩れば、山本はベットに寝て、寝転がっている俺を背中越しに抱き締めた

「ん…獄寺かわい…」

「はぁ?馬鹿じゃねーのお前…」

照れるじゃんか馬鹿…
お前だって…かっこいいじゃんか…


なんて言えず。
言えたならどんなに楽かなんてすげぇ思った
だが俺なりのこいつへの愛だ。
寝ながら山本の方を向き。山本の大きな胸に顔を埋める

山本の匂いが、
俺を包む


「…もう一眠りしたら雪だるまでも作るか?」

「ツナでも呼ぶか?」
 
「いや、10代目は雲雀と一緒にいるだろうから、」

「仲いいもんな2人とも」

こっちもだろ、というつっこみは抑えて、程よい温かさと窓からの明るい光に心地よく思いながら目を閉じる


午後になったら外に出よう、
雪が降って、積もってるからな
着替えてコートきてマフラーを巻いて山本の手を引いて駆け出すんだ
誰にも邪魔されない二人っきりの時間なんだからな…





そう思いながらゆっくりと、目蓋を下ろした

眠気がすぐそこに来てた俺はすぐ眠りについてしまった
部屋は、二つの寝息しかしなくなった


窓の外では雪が降り始めてた
静かだった




白い雪に
赤付くハート
(見ろ!山本そっくりじゃんか!)(雪だるまじゃんか)(うるせー!)(雪玉投げるなよ!)








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雪の話を今のうちに


20090222

 

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