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□奪われた世界と愛したもの
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「――ろ、…むく、ろ…ん…!」


あぁ…今起きますよ、
僕の恋人はせっかちなんで、朝食が出来ると遠慮なく起こしに来るんですよ…
まぁ、そんなところが可愛いんですが…

きょうや…いま、おきて……?








ちょっと待てよく考えろ、
僕は、今、ミルフィオーレのレオナルド・リッピで…
ボスの白蘭に戦いを挑んで…

それから…








「骸クンっ!!」

びしゃあ

「ぅあ!」


これは…水?
慌てて身体を起こせば、長い前髪を伝う水滴が僕が乗ってる寝台の上に流れてく

覚醒した僕の目に映ったのは白い部屋と白い天井と白い、白いヒト
それと僕の腕と足についてる枷

「あ、やっと起きた」

「何するんですか…白蘭」

怒りを含んだ眼で彼を睨めば、彼は僕にかけただろうミネラルウォーターのペットボトルを床に投げ捨てた


「だって骸クン何しても起きないんだもん」


またその顔だ、
その笑みを顔に貼り付けたような顔が僕は気にいらなかった


「………」

だが…僕はそんな男に敗北したのだ
四肢を封じられた今の自分には何もできまい
おとなしく殺されるのを待つか………


「ねぇ…ヒバリキョウヤって…誰?」

「!!!?どこでその名を!?」

僕は夢中になって届く範囲にいた白蘭の肩を掴んだ

「!…だって骸クン、自分で言ってたんだよ?覚えてない?」


ね…寝言…?
失態続きですよ、まったく…


「その反応からして恋人ー?」

「クフフ…だったらどうしますか…」


焦ってるのか、分からないが…
恭弥は僕が…守るって誓ったのに…


「へー…あの雲の守護者と恋人同士かー…だったら…


























君が立ち直れなくなるぐらい、雲雀恭弥に会えなくなるぐらい、ぐちゃぐちゃにする




ゾクっ――…!

「…――ッッ!!」



恐怖感、を抱いた。この男に、

逃げなきゃ、怖い、
だけど身体を動かそうにも目前に迫ってる白蘭の腕と足の枷が邪魔をする


「ねぇ、骸クン」

寝台の端まで追い詰められた僕は白蘭の息がかかるスレスレの距離にいた

「僕がボンゴレの関係者を次々殺す理由、分かる?」

白蘭は僕の身体を乱暴に寝台の上に押し倒した
背中が痛んだが、この際そんなことは問題ではない

「しり…ませんよ…」

「そうー?じゃあ教えてあげるよ」

「ぅ…あ…」

白蘭の冷えた手が服の中に入り、体のラインを辿ってった

「僕はね、ボンゴレリングが欲しかったのもあるんだけど、人が絶望にくれるのを見るのがとってもたのしく思うからだよ。だから、









ボンゴレのボスも殺した」



…この男は!
何を思ってるか見当もつかない


「でも骸クンが来てくれたら少しは楽しくなるかな?」

こりっ

「ひゃ…!」

白蘭の爪が僕の胸の先端を思い切り引っかいた


「や、やめなさい白蘭!お前…!!」

「んー?やめてもいいけど…だったら誰か他の人連れてこよっかなー…」






―…例えば雲雀クン…とか



「白蘭ッ!!!!それだけはっ!」


思わず叫んでしまった
これでは白蘭の思い通りになる…

「じゃあ骸クンはどうしてくれんの?」

いつものような笑みで、手を相変わらず服の中に入れたままで聞いてきた
やっぱり僕はその笑みが嫌いだ


「………つ、づけてください…」

「ん、わかったよ」


そう言うと白蘭は僕の首に顔を埋めた
僕はこれから起こるであろう事に、若干の恐怖心を抱いた
白い髪の毛が僕の顔をくすぐる

このまま殺していまいたいぐらいに
僕は貴方が嫌いです
しかしそれ以上に貴方に犯されてしまうだろうこの自分が


一番嫌いです







恭弥、
きょうや、
きみを

あいしてる








奪われた世界と愛したもの

(朝食は食べれない)(君にはもう会えない)(僕はもう堕天使に成り下がった)(死にたい、)(もーらったーもらったー♪)




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白蘭がそこそこ狂ってます


20090219



 

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