破壊天使×天使長
□【痛々しいlove】
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私は この恋に絶望している。
眠りに殉じて束縛されていない夢を見た。
空と海の境目の無い(まるで境界線が溶け込んでしまったような)美しい世界。
青色を一面にぶちまけたような空(或いは海?)を泳ぐように飛ぶ 一羽の白い鳥。
私はそれを地上から見上げて傍観する。
そして 強く憧れを抱いた。
(自由な飛翔は なんと素晴らしいことだろう…)
私は鳥に追随しようと自らの翼を広げた。
途端。
荊が私の白い羽根に絡まって 地に這い蹲れとでも言うように私の全てを捕らえる。
腕も 脚も 羽根さえも巻き込まれて倒れ込んだ私は そのまま視線だけで空を見上げた。
いくら憧れを抱いても。その鳥が恋しくとも。
その白い一羽の鳥は 私のことなんてお構いなしに既に何処かへ飛び去っていたのだ。
蒼銀の色彩を纏ったまま 悠々と。
まるで些細なことのように私を置き去りにして。
(そして私は荊に羽根を食い千切られる)
そんな愚かで惨めな 最悪の夢だった。