白銀×昶(×白銀)

□【終わりの楽園】
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T.ロマンチック・エゴイスト



「愛のレシピを教えてあげましょう」
お前は高らかに告げる。


いらない。
欲しくない そんなもの。
だって いつだってお前は俺を残して1人で颯爽と行ってしまうじゃないか。
こんな汚れた世界で独りぼっちにされて。
それで まだ『信じろ』だなんて!(酷い 大嫌い)
最初から お前なんか本当は ちっとも好きじゃなかった。(嘘つき)

棘のついた言葉は自分自身も傷付けていく。
俺が自分で傷付けた心から流れる血を アイツは慈しむように そっと受けとめてくれた。


『強がらないで 大丈夫』

そんな優しい嘘だらけの言葉で お前は俺に触れてくる。いつも。
それだけで俺は泣きそうになる。


(ごめん…本当は…)






言えない言葉は たったの2文字。
『 好き 』
音にならない呟きは落下して消えていってしまうだろう。
俺の感情は いつまでたっても誰にも届かない。
お前は きっと気付かない。
コイツにしか掬い上げることの出来ない言葉 なのに。
こんな冷たい床へ 俺のありったけの感情が落ちて消えてしまう前に どうか受け止めて。









もどかしさに唇を噛む。
俺の口から声にならない大切な言葉が零れ落ちてしまわないように。
(落ちたら最後 それで終わり だ)







「 昶君 」


名前を呼ばれて視線を上げた 瞬間。



『 好き 』



アイツが俺に言葉を飲み込ませるみたいにキスをした。
(唇から直接伝わる感情)








愛すべき キザ野郎!












 
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