Imparfait NOIR

□終末の日〜Last day〜
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『―――頼歌』
『なに?ルシェル』
訊き返すと、彼は私の身体を抱き竦めた。
『ルシェル……?』
『僕は……、僕は君が望む僕でいるから』
私はハッと息を呑んだ。
『僕は、君を裏切らない。こうやってずっと、君の傍にいるから』
彼の優しさに、私は涙が溢れそうになった。
『ありがとう……。でも、ルシェル。無理しなくてもいいわ』
彼の身体が震えているの、私にも伝わってきたから。
『私も……私も、貴方を裏切らない。ずっと、一緒にいましょう………?』
ルシェルは瞠目した。そして、小さく頷く。
私達は一人じゃない。
こうやって、お互いを想い合って、ずっと―――…。
『頼歌……僕は、命を懸けても君を守る………!』
『命を懸けるなんて言わないで………。貴方がいなくなったら私はどうすればいいの?』
『え……じゃあ、死なない程度に頑張る………』
困惑した彼の顔が、可笑しくて、私はつい含み笑いをしてしまう。
『頼歌、笑わないでよ………』
『ごめんなさい』
バツが悪そうに顔を赤らめた彼の頬に手を当てて。
『―――信じてる』
彼は僅かに微笑んだ。
『頼歌、…Ich liebe dich(愛してる)』
そして、私達は誓いの口付けをした。

* * *

―――僕は、君が望む僕でいるから………。

その言葉を、信じてる。

* * *


fin.
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