novel

□雨
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雨が降る。

天気予報とは真逆の天気。
いきなりの雨に人々は慌ててあちこち走っていく。

俺はどこに行けばいい?
俺はどこに行きたい?

答えがわかっている問いに苦笑する。
けど、その答えにはたどり着けないから。
そうしたのは俺だから。

逃げたのは、俺。

俺たちの間にある溝は小さかったものがどんどんと大きくなっていった。
年の差、環境の変化。
耐えられなくなって自分で溝を堀り進めてしまった。
強がってばかりで、掘って掘って…

しまいにはこの雨だ。
俺たちの間には、もう何もない。

それでもまだお前のことが頭をちらつくのは何故だ。
お前のことを考えると後悔ばかりする。
こんな性格の自分に嫌悪感を抱く。

けど、そう決めたから。
俺はもう流されないと決めたから。

帰ろう。
あてもなく、思いつくままに。
違う答えなんて、そのうち見つかればいい。

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