短編story

□スマイル
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「久しぶり。高橋」

「・・・人違いです」





嫌なヤツに再会してしまった。朝の占いじゃ射手座は1位だったのに、恨むぜコノヤロー。


「少し話さない?」

「・・・これからバイトがあるから」

「本当に少しでいいんだ」


こいつと二人で会話なんて無理だ。絶対に気まずい雰囲気になるのは目に見えてる。

そう思ったのに、あのいつも余裕そうだったこいつの(なんでこんな顔をしてるのか分からないが)切迫詰まった顔を見たらいつのまにか頷いていた。



(俺の馬鹿)






それが30分前の出来事。

今は近くのカフェに入って向かい合わせに座っている。

だが予想したとおりの沈黙具合。

ほら見ろ、気まずい。

その沈黙を破ったのは目の前のこいつだった。


「その、中学のときは本当に悪かった」

「・・・別にいいよ。引きずってるわけでもないし」


俺は中学の頃いじめを受けていた。

その原因がこいつ、西崎圭斗。

西崎はスラリとした体躯に抜群の容姿、気さくな性格から女子だけではなく男子にも人気があった。

ある日西崎に用があった俺は普通に、本当に普通に話しかけた。

だけどこいつは綺麗に俺のことを無視してくれたのだ。そしてあろうことかそのまま席を立ち、無言で教室を出て行ってしまった。

それを見いていた西崎信者たちが西崎に気に入られようとこぞって嫌がらせを始めたのだ。
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