書庫
□亀のプレゼントはウサギ
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まだ残暑が続く9月中頃。
とは言っても日は段々と短くなり、夜の風は少し肌寒く、草むらでは虫達が涼しげに鳴いている。
少しずつ秋の気配が近づいている、そんなある日。
「おーい。採ってきたぞー」
大量のススキを抱えて悟空が帰ってきた。
「お帰りなさい、お父さ……って、そんなに採ってきたんですか?」
「おう!悟飯の方はどうだ?」
ドサッとススキの山を玄関に置き、作業をしている悟飯の方へ視線を寄こす。
「はい、もう少しでできます」
つきたての餅をくるくると丸めて台の上に置く。
小さなそれはかなりの数になり、団子の山となっていた。
今日は十五夜。
悟飯とチチは昼間からせっせと団子作りに励んでいた。
いくら餅がお腹に溜まるといっても、この父親の胃袋には関係なし。よって、作る数も半端ないのだ。
「よし!出来ただ。悟飯ちゃん運んでけれ」
「はい」