遙かなる時空の中で4

□リンス
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 必要なものを全部カゴに入れて、風早から財布を預かった千尋がレジに並ぶ。あとの二人は精算が終われば来る出番を待つ。


「甘すぎる。」
「は?」

「あんた、また千尋の欲しがってたもの入れただろ。」
「ええ。」

「あんまり甘やかすなよ。」
「厳しくしてるつもりですよ。これでも。」
「千尋が我が儘になっても僕は知らないからな。」

 諦めたと云うばかりに那岐が溜め息をついて、ちょうど精算の終わる千尋の処に向かった。


「寧ろ、我が儘になってくれた方が嬉しいんですけどね。」

 呟いた風早は、自分を甘やかしている事を自覚している。

 何時までも、この生活が在るように錯覚したい気持ちがどうしても出てしまう。

 千尋に呼ばれた風早は、気付かれない様に自嘲気味に微笑った。
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