遙かなる時空の中で4

□プライド
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「アシュヴィン様。」

「…リブか。」


「どうされました?」

「いや、何でもない。用事はなんだ?」

「ああ、それが、兵の者達が宴をしたいと…」

「宴か…。まあ、我が国が豊かであれば、叶えてやりたい処だかな。」

「それは兵士達も承知なんですが、戦の前に一度后様にお会いしたいそう…自分達が会えるのは最期になるだろうからと…。」

「……そうだな。あの姫は存外兵士達を惹き付ける…此処で士気を高めるのも悪くない。」

「…では。」

「ああ、兵士達に伝えておけ拝ませてやるとな。それから宴の準備を。」

「―分かりました。」

「俺は部屋に戻る。後は頼んだ。」

「はい。…して部屋とは恐れながら后様の部屋でよろしいですか?」

「……自分の部屋に決まっている。」

「…はあ…ですがご自分の部屋では仕事が目につくのでは無いですか?后様の部屋でゆっくりなされても…。」



「………格好悪い。」

「は?」

「そんな格好悪い事できるか。…いくら舞い上がってようと、式が終わって直ぐ妻の部屋で休むなど……格好悪くて見せられん。」




「……はぁ。」

「じゃあな。」

 褐色の耳が少し赤くなった皇子は見物すぎるが、これ以上詮索するのは得策ではないので黙って見送る事にした。



 数分後、千尋の部屋に入るアシュヴィンを見掛ける事になる。


■〆

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