短編(本棚)

□永久の誓い
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「興覇殿、私…子供が出来ました」





『永久の誓い』





蜀との戦が控えたある日、陸遜は甘寧に告げた。
子供が出来た、と。


「本当か!?俺たちの…子供が…」
「はい。今朝、医師に見てもらいました。確かに、お腹の中に赤子がいると…」
「やったな!伯言!」


陸遜を抱きしめて喜ぶ甘寧に、陸遜も嬉しくなった。

二人がそういった関係になって数ヶ月。
時間のある時は愛し合い、共に過ごしていた。

陸遜は女性ながら孫呉の軍師。
甘寧も一軍を率いる武将。

戦前になれば忙しくなるのは常で。
けれどだからこそ、時間を作っては共に過ごした。
そして遂に二人の間に子が出来た。


「前から言おうと思ってたんだけどよ…」
「何ですか?」
「結婚、しようぜ」


言葉と共に送るものはないけれど。
でも陸遜には言葉だけで十分だった。
涙を流し、甘寧にしがみつく。


「はい…」


答えは決まっていた。










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