K-on!

□Sky Blue
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その日あたしは、珍しく屋上へと足を運んでいた。
だれも知らないであろう抜け道を使ってである。
寒さにポケットへとかじかんだ指たちを放り込む。
フェンス前に立つと、雲一つない空が、目の前へと広がる。
校庭には部活動に勤しむ生徒たち。放課後。
いつものように体をフェンスへと預け、また空を見上げる。

あたしは空を見るのが好きだ。

いつから好きになっていたのかそれはやはり定かではない。
遠い昔の事だった気もする。
いっその事空になりたいと思った事だってある。
雲一つない、水色の空。
放課後になったため、端の方から、ゆっくり、ゆっくりと、オレンジ色が水色を追い込んできていた。

フェンスに指を絡め、オレンジ色の空を眺めた。

「夕暮れが、どうかしたのか」

後ろから、聞き覚えのあるハスキーがかった声が聞こえた。
自然と体はそちらに向く。
なんでここにいるんだ、とか、どうやって入ってきたんだ、なんて事は不思議と思い浮かばなかった。
まるで、そこにいるのが、当たり前みたいで。

「…――澪」
「部活サボりですか、部長さん」




 
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