K-on!

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「…田井中」

柄にもなく、一人想い人の名を口にしてみる。
一人暮しには広すぎる、だだっ広い家の中で。
兎の縫いぐるみを抱きしめながら、私は今日何回目かもわからない大きなため息を吐いた。
自分の気持ちに気付いたのはいい、いいんだけど…

「相手は…生徒」

ただただその真実だけが、私の足に絡み付いて離れてくれないのだ。
歳は決して離れているわけじゃないけれど、それでも先生と生徒、もしかしてももしかしなくても、手を出せば私は捕まってしまうだろう…多分。

でも、好きなんだ

気付いた気持ちは止まらないし、変わらない。

私は曖昧な気持ちのままお風呂に入ろうと腰をあげた…
ときだった。


ピンポーン


この家に訪問者がきたのは。
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