K-on!
□せんせい! 1
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職員室から出れば、すでに生徒の数はまばらだった。
オレンジ色の夕日が、窓の外から射しこんできている。
自分の受け持つ、二年三組の教室へ急いだ。
三組のある階の廊下に生徒は一人も見られない。
、ちゃんと帰ったか。
三組につき、意を決して扉を開いた。
田井中は来ているだろうか。
教室をぐるりと見回せば、カーテンの中に小さな人影。
ん、ちゃんといるな。
あいつの性格なら逃げ出すと思ったのに。
ちょっとだけ感心してその小さな人影に近寄る。
その瞬間、
窓が開いていたのだろう、カーテンが風によって高く舞い上げられた。
そのためカーテンの向こう側の人影、田井中の姿が丸見えになった。
「、あ…みおせんせ」
私の存在に気付き、田井中は私の名前を呼びながらにっこり微笑んだ。
夕日の中にゆったりと佇む田井中に、不覚にも一瞬見とれてしまった。
「っ、///
ほ、補習始めるぞ!!」
「うぃー」
顔が熱くなるのを感じ、顔を隠すようにして顔の熱が下がるのを待った。
田井中はもう用意し終えたみたいで、せんせ?、なんて甘い声で言ってくるからたまらない。
ああ、また赤くなった。
補習が開始されたのは、5分後のことだった。