K-on!
□太陽と私たち 1
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『唯、みお、むぎ!海行こう!』
なんて、律が言い出したのは数週間前。
勿論、私と唯は了承したが、むぎだけはその日は用事があるから無理、と告げた。
律は少しショボーンとしながらも、また行こうぜ!と言ってむぎを励ましていた。
駅のホームはがらんとしていた。
さすがに来るのが早かったか、なんて頭の中で思いながら、律と唯を待った。
今日は快晴。
雲一つ見当たらない空は、簡単に太陽の姿を晒していた。
太陽が眩しくて、すぐ目を逸らす。
目が少しチカチカした。
「…みーお!」
「うひゃぁ!?」
突然後ろから声をかけられ、私は叫んだ。
周りの人たちが私を凝視していて、顔を真っ赤にしながら、後ろにいるバカを殴った。
「あだぁ!」
「自業自得だ」
殴った相手は案の定律。
律の傍では、唯が腹を抱えて笑っていた。
「今日は遅刻じゃないんだな、唯」
「ぁはは……、うん。
今日はりっちゃんがお迎えにきてくれたよー」
なんて、笑いながら答える唯を少しだけ羨ましく思ったが、この感情は私の心のポケットにしまっておく事にする。