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□ライアー
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澪が好きだよ。



耳元で、吐息混じりに、囁かれる。
その言葉は、私にとって嬉しいもののはずなのに、なぜか、苦しくて悲しくて切なくてしかたなかった。
私の体を弄るように愛撫する律の頭を撫でて、私もだよ、と呟く。
その言葉は私自身の嬌声によって遮られて、律に聞こえたかは、わからない。
けれど、けれどそのとき確かに、律の肩が、震えていたように見えたのは、気のせいではないんだろう。
自分の嬌声とベットが軋む音を端で聞きながら、快感に犯されている頭で、ぼんやりと考える。
この、非生産的で、無意味な関係の、終わりかたを。



みお、みお、



荒い息のまま、律がキスを求めてくる。私も、それに応えるように、顔を傾ける。
ああ、律。お前はわかってるだろう。
このセックスに愛なんて毛頭ないと。
お互いの体が忘れられないだけだと。
だからさっき、泣いたんだろう?声を殺して私に謝ったんだろう?
なあ。
律。



澪、好きだよ。好き。愛してる。



嘘つき。

だけど、ずっと黙って、抵抗もせずに、為すがままになっている私もきっと、








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iPhoneになってからの初ss。
くらい。

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