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□ふれてみたいな
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モヤモヤする。モヤモヤ。
ドキドキする。ドキドキ。
それは時折苦しくて、でもなんだか心地よくて、手放す気にはなれない気持ち。
胸はチクチク痛むし、触れてみたいし、触れられたいし。
こんな気持ちは初めてだった。
わからないことがあれば素直に聞く、というのが我が家の教訓だから、それとなぁく、憂に聞いてみたら

「それは恋だよ。」

笑いながら即答でそう言われた。












走る、走る、走る!
教室を飛び出し、廊下を駆け抜け、階段を二段飛ばしで駆け降りる。
今まででこんなに一生懸命になったことはない。それくらいの勢いで。
ああ!なんでこんな素晴らしいことに気付かなかったんだろう!
鞄を落としそうになって、でも止まる気なんて毛頭ない。
木製の床がギシギシと音をたて、私を急かす。早く早く。
そして見えた、ゴール。
ぴょこぴょこ跳ね癖のある髪を跳ねさせて。
さあラストスパートだ。
準備はいいかな?


「――――――りっちゃん!」

ああ、振り向き様の彼女の驚きようといったら。

「ゆい?」

感度良好、気分上々!
今の私、すっごくかっこいいよね!
君のもとまで全力疾走。
あと三歩、二歩。
勢いつけて、振りつけて、私は跳ぶ。
私を見ながら呆けてるりっちゃんのもとに―――











「あのね、私、りっちゃんが好き!」












 

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