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□あめふり
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あめふり





雨降りザーザー。
学校来たときは晴れてたのに、なぁんで帰りは大雨かねぇ。
そう言って澪に笑ったら、澪も引き攣り苦笑い。
むわんとした空気。湿気により増した温度。鼻孔を刺すいやな臭い。アスファルトを濡らす大粒の、雨。
下駄箱のところで雨宿り。
私たちは、二人ぼっち。

「雨、止まないなあ。」
「この降りようからして通り雨じゃないっぽいし、な。」
「どうする?走って帰る?」
「それもありかもな。」

暇を持て余しちゃうようなー。
なんて。
たん。爪先で、地面を叩けば鈍い音。
それに合わせて澪も隣でたんたんたん。

「なに、爪先セッション?」
「だって暇だもん。」

ついには両足。たんたんたたたん。
私は足だけでも走り気味。
澪はいつもどおりのゆるやかなリズム。
でも、ちゃんと私に合わせてる。
ああ、いいな、コレ。
雨が止むまで二人きり。
響くは足音。二人のリズム。雨音。

「律、走り気味。」
「こぉんくらいがちょーどいんだよ。」
「ま、律らしいか。」

本当なら家に帰るお時間。
でもまだまだお預けっぽい。
雨さん雨さん。まだ止まないでおくれ。

「あっめあっめふっれふれ澪しゃんがー…。」
「変な替え歌、するなよ。」

ふふ。ふふふ。
二人で声を潜めて笑い合う。
二人きりなのにね。うん。二人きりだから。

「蛇の目でお迎えうれしいなー…。」
「私は蛇の目傘なんて持ってない。」
「澪はかんわいい傘だもんなぁ。」

足はまだリズムを刻んでる。
たん、たたたた、たんたんたん。

「な、澪。」

ここで8ビート。

「ん?」
「雨、止まないなー。」
「…べつに、いいんじゃないか。」
「…そだな。いいな。」

二人ぼっち。
世界と遮断されたみたい。それでもいい。
澪がいれば。澪がいるから。澪だからこそ。

切り離された私たちの世界。
さぁて、つぎはなにで暇を持て余しましょうか、お嬢さん?





―――――――――――――
てなわけで第一位の律澪でした!
なんだか私っぽくない書き方ですね。
まあいつだって定まってないですけど←
ていうかめちゃくちゃ遅れてすみませんでした!なんかすでに三ヶ月経っちゃってますし。うぅ。


誤字脱字感想あればどんどこいです(`・ω・´)
 

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