(^::^)<うほっ

□とらぬイタチのチョコ算用
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「何…?お前に?戯れ言をたたくな。イタチがお前にやるのはせいぜいチロルチョコ一個だよ」

「変な思い込みをしないでくださいねマダラさん。アナタなんてポッキーのチョコがついてない部分で十分ですよ」


2人の間に火花が散る。キッチンに続く狭い廊下で、鮫とおじいちゃんの、イタチのチョコを巡る口論が始まった。

その頃イタチはチョコをラッピングし終え(「完璧だな。流石オレ」と言っていた)、キッチンをきれいに片付けていた。後始末はしっかりやる。

キッチンの外では彼のチョコを巡る戦いが勃発しているのにまだ気づいていない。呑気な奴である。



「イタチとコンビ組んでるからって調子こいてんじゃねーよホシザメが。オレはイタチの相棒であり師匠だぞ?イタチが暁に入っていなかった頃の様子とかもばっちり知っているんだからな」

「それを言うなら私だってアナタの知らない任務時のイタチさんの様子とか知っていますよ。この前任務が終わったあと団子を買ってあげたら珍しくちょっと笑ってくれたんですよ。アナタイタチさんの笑顔なんて見たことないでしょういつも怒らせてばかりなんだから」

「キィィィィ!!ただの暁メンバーのくせに生意気な!お前なんてバナナの皮で滑って頭打ってバカになってしまえ!」

「アナタも真鱈と間違えられて漁師につかまればいいですよ」


口論なら鬼鮫の方が少々上手のようだ。

しかし、この廊下での戦いは長くは続かない。



「…何をしてるんだお前ら」

片付けが終わってキッチンから出てきたイタチがとうとう2人を見つけてしまったのだ。



「あ、イタチ…!」

チョコはどこかとイタチを見回すマダラだったが、暁コートの中にでも入れたのか一見どこにも見当たらなかった。


イタチはそんなマダラを無視すると鬼鮫にさっきまで使っていたエプロンと三角巾を渡した。

(鬼鮫のだったのかぁぁぁぁ!!)

鬼鮫がリラックマのエプロンを着ているのを想像すると何だか萎える。


「鬼鮫、エプロンと三角巾ありがとう。助かった」

「いえいえ、どういたしまして。それより…」


鬼鮫は一気に話の核心をついてきた。どうしてもチョコが気になるのだ。


「チョコ…作ってたんですよね?…誰に渡すためですか?」

「作ってたが…何故そんなこと」

何が何だかわからないうちにイタチは鬼鮫に抱きしめられていた。


(何オレのイタチに抱きついてんだ鬼鮫ぇぇぇ!!)

マダラが怒りのあまり口をパクパクさせているが気にしない。


「私…に渡してくれると嬉しいんですけどねぇ…」

「鬼鮫…」

私にわたして ってダジャレか?とボケたことをイタチが口に出そうとしたその時


「オレのイタチに触るな!磯臭いのが移ったらどうするんだ!」

マダラが鬼鮫からイタチをぶんどった。イタチは物ではない。


「イタチ…オレだろう?」

「何が」

「とぼけるな、チョコだよ。オレのためにわざわざ手作りしてくれたんだろう?」

完全に自分のためにチョコを作っていたと思ってるマダラ。イタチは自分の肩を掴んでるマダラの手を

「とりあえず離せ、馴れ馴れしい」

力ずくで振り払った。



「わぉ、ツンデレ」

「何がツンデレだこのジジイ。いいか、お前に渡すチョコはせいぜいチロルかそこらへんだ」

とうとうイタチ直々にチョコは渡さない宣言が出た。

「…嘘だ!!」

「嘘じゃない。現実見ろアホめ」


「え、じゃあ私に…」

期待に満ちた顔で鬼鮫が聞く。内心では、あっさりチョコ渡さないと言われたマダラをざまーみろとあざ笑っていたとか秘密である。やった、イタチのチョコゲットだぜ!


 
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