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□Oh! my sweet!
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虚無僧は捨てて来てあげる、とその焼きソバの入った巨大バケツを引き受け、人目の無くなったとこで食べ始めたところ、ふとした拍子にバランスを崩し頭から焼きソバケツを被ってしまい重さで気絶していたそうだ。
(…では妖怪じゃなくて人か!しかも声からして女性を踏んでしまった…!)
フェミニストの自分が女性を…!(しかも腹部と思われる)
うつむき悶々と自分を責めるグラハムに虚無僧がまた声をかけた。
「あのー…踏まれたのはすっごく痛かったですけど、お陰で気がつきましたし、助け起こして貰いましたし…ありがとうございましたー」
その言葉に顔を上げるとそこには、ソバのすだれの間から覗くへにゃっとしてふんわりした何とも愛らしい笑顔。
「……っ!!」
グラハムはバッと口を押さえ顔を赤くしたまま固まった。
「…?あのー?」
「もしもーし」
「…?あの、私仕事戻りますねー?心配されてるかもだし、シャワー浴びて着替えなきゃですし…」
「迷惑かけてすみませんでした。あとありがとうございましたー失礼しますー」
ずるずるずる…(ソバを引き摺ってる)
グラハムが正気に戻り、虚無僧の名前を聞かなかった事を死ぬほど後悔してちょっと泣くのは、虚無僧が立ち去ってから十数分後であった。
Oh! my sweet!
(どうしたんだい、ぼーっとして)(カタギリ…お前焼きソバ、いや虚無僧を好きになった事、あるか?)(え……(どん引き))
◇その旨を良しと出来ない点が多々あり、ます…ね。ごめんなさい(素直に謝る心を大事にしたい)