☆小説U☆

□機械人間 第8章
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第8章「セカンドヒューマン」
浩一は優衣という名前について考えていた。
彼は優衣という漢字もいいと思っていたが、『唯』という文字が浮かび上がる。「黒沢さん、シンクロテストご苦労さま。結果は二日後です」
女のオペレーターが呟く。浩一は頷いて、すぐに優衣の部屋に向かう。
部屋に着いてノックをする。
ノックをしたら、優衣の声が聞こえ、ドアを開けて中に入る。
中に入ると彼女が目の前に立っている。
優衣は下着姿だった。それを見た浩一は驚く。
「お前、なんて格好してんだよ!?」
「暑いから」
「暑いのはわかるけど、せめて何か服、着替えろ!」優衣に説教をする自分が情けなく思う。
だけど、優衣を見離すことなんかできない。
そんな気持ちが芽生えている。
「シンクロテスト、どうだったの?」
「結果は二日後だって」
優衣は浩一の目の前で服に着替える。
そんな優衣を見て呆れてしまう。
浩一は机に置いてある紙と鉛筆を取り出し、『唯』と書こうとするが、文字を書くのを辞める。
その時だった。
『サードヒューマン。佐藤優衣。至急弘明の部屋に行ってください』
「呼び出されたな」
「きっと、またあのテストだよ。はぁ・・・」
優衣は溜息をつきながら浩一と一緒に部屋を出る。
彼と部屋の前で離れ、弘明の部屋に向かう。
ドアノブに手をかけようとしたとき、同じタイミングでドアノブに手を触れようとした人がいた。
二人は同時に声を上げる。「あ、すいません・・・」同じ言葉を言ってしまったのか、二人は気まずくなってしまう。
ドアノブに触れようとしたのは、少年だ。
彼は眼鏡をかけていて、目は細く、背は優衣より、少し高い。髪は外見から見たら黒いが、光に当てると赤く染めているのが、わかる。服装は黒いシャツを着ていて青いジーパンをはいている。
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