小説

□おもい
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「…あっ…ぁう…」
「…総悟…」

「う、…うぅん……そこばっか…ヤ…でさァ…」

薄暗い部屋の中で鼻から抜ける甘い声が響き渡る
今宵の情事ももう数回目先程から土方は執拗な程沖田の胸の突起ばかりを攻めている
長い間、下肢は繋がったまま土方は動く気配が無い

「…ぁっ…もっ…いい加減に…っ…」

乳首とその周辺の部位を舌と唇で舐めまわされ暗闇の中でも唾液がキラキラ光って見えた、その卑猥な光景を目にし羞恥にいたたまれず切羽詰まって目の下の黒髪を強く抱き締める
「何だ?感じてるんだろ?」
胸を刺激する度に自分を包み込む腰がじれったそうに揺れるのを土方は愉し気に確認しながら、意地悪な返事を返す

「……違っ…あっ」

切れ切れに否定するも、その言葉にさえ反応し沖田は目尻に生理的な涙を溜めた

昔から土方は睦み合う際平らで何も無い自分の胸をどこよりも扱ってくる

柔らかく時に激しく両手と舌と唇を駆使し、赤く内出血を起こすまでその部位を蹂躙する

何が土方をそうさせるんだろう…どうしてだっけ?

未だに止まない唇と指の動きに息を上げながら、陶然とする意識を遠い記憶の中に巡らせる
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