NOVEL
□あなたのまえではおんなのこ
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そんな彼女は今、黒いワンピースを着ていた。なんの飾りもないシンプルなものだが、シャープなそのシルエットは彼女に良く似合っている。
ザンザスに、買って貰ったのだ。彼からはパーティー用のドレスや普段着のスカートをいくつももらっていたが、彼はとりわけこれを褒めてくれた。シンプルなデザインは自分も気に入っているので、この服はクローゼットから顔を出す機会が多い。
(まあ、タンクトップのままで来てもよかったんだけど、なぁ)
なんとなく、彼の前ではきれいな服を着ていたくて。
「…なあってば。聞いてるかぁ?」
「あ?」
当の本人は、ベッドから半身だけ起こして朝食を取っていた。
「ほら、こないだのだぁ。きれいな人だっただろぉ?」
長い髪をたなびかせて。
きれいなドレスに見劣りしない整った顔で。
家は由緒正しい貴族家で。
頭も良くて。
「…なんでも揃ってるじゃねぇかぁ」
物騒な隊服を着るスクアーロをみて、かわいい坊っちゃんね、なんてきれいに微笑んで。
ザンザスも少し笑ってて。
その言葉に、唇を噛むしかない子供な自分がいた。
(わかってるんだ。今こんなワンピース着たって、おれはオトコノコなんだ)
(どうみたって)
(ちくしょう)
「てめえは今いくつだ?」
「は?」
予想外の質問に目をしばたかせるスクアーロを尻目に、ザンザスは目線で答えを促した。
「14、だあ」
「そうか」
なんだよ。どうせお前よりずっと年下だよ。スクアーロは言うなり頬を膨らませる。
「それがどうしたんだよ」
むすりとしながら聞くスクアーロに、ザンザスはフォークを突きつけて言った。
「2年後の3月13日に結婚してやる」
準備しとけよ、そう言ってまたフォークを口に運ぶザンザスに、スクアーロは頷くしか出来なかった。
あなたのまえではおんなのこ
(誕生日覚えてて年覚えてないってどうゆうことだ)
(うるせえ。確認だ)
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異色組み合わせ!
楽しいですね!
だんだん女の子になってくスクってかわいい…ですよね?(聞くな)
ところで結婚できる年を日本基準にしちゃいました;
まぁいっか!
これ鮫誕にうpすればよかったかな…
TITLE/にやり