NOVEL
□耳をすませば
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※スクがアンドロイド
その細い身体を抱き込むと、わりにしっかりとあたたかさが伝わってきて、耳をすませば聞こえてくる柔らかな鼓動に生というものを感じた。
そしてその鼓動と共鳴していく自らの身も、生きているのだと。
「ねえボス、アレはあたたかい?」
金髪の少年が問う。
その隣にいた長身の男が、しまったとばかりに青くなった。
「おい、ベルッ」
「ねえ、ボス!」
ああ、うるさい
久しぶりに外に出たと思ったらこの騒ぎようだ。
酒でも持って早々に部屋に帰ろう。
あいつが待っているから
「アレはっ、あいつじゃないんだよ!」
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