NOVEL
□BROKEN!
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やばいやばいやばいぞぉ
指がピクリとも動かねぇ。
オレの義手は元々、普通の奴らが付けてるようなちゃちなモンじゃなくて、利き手で戦いてぇっていうオレの我儘を聞き入れてくれたジャンニーニの親父さんが昔から特注で作ってくれている、なにやら腕から神経を繋げたりして(頭の弱いオレにはよくわからないが)それなりに自由に動くように作られたものだ。
もちろんすぐに替えができるわけがない。
(やべぇ〜…)
そして今、我らがボスの部屋の前。
(っても報告しなきゃなんねぇからどっちにしろ入んなきゃなんないんだよなあ…)
そうだ、ノックをしよう。
いっつもそれで殴られてるからなぁ!
[カスザメの経験値が2増えた]
コン コン…
「し、つれいするぞぉ」
「まだ許可を出してねぇ」ゴシャンッ
「ぎゃぁッ」
[ボスのワイングラス攻撃。急所にあたった。カスザメの体力と脳細胞が20000減った]
「んだよ、ノックはしたじゃ…」
(…っと、やべぇ早くこの部屋出るんだったぁ)
「ほ、報告書だぁ…」
「なんだ、静かで気持ちわりい」
何言われてもガマンだ、オレ。
ガマンガマンガマンガマンガマン…
「服が裂けてるな。どうした?」
「ガマ…え?あぁ、なんかベルみてぇなナイフ使いがいてよぉ。まぁ誉めたかねぇがベルの足元にも及ばなかったがなぁ」
そうだ。義手に気をとられていたが服もナイフ使いだけでなくあの爆発で相当やられてしまったんだった。
この裂け方はもう直せない。あぁ、踏んだり蹴ったりだ。
「(ガマ…?)そうか……………で?」
「……あ゙?」
ヤな予感。
「左手になに隠してやがる」
「な…、何もっ?……やっ、ちょっ待て、ボスっ」
「ぎゃぁぁぁぁあぁああ!!!!」
斯くしてオレの苦悩の日々が始まったのだった。
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