NOVEL

□部屋
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※死ネタ





それは、真っ白い部屋に溶け込んでひっそりと横たわっていた。

白いカーテンがふわりと浮かぶ。
その間から零れる木漏れ日が、透き通る睫毛で影を作った。


( まぶしい )


らしくない。

まるで堅気のような死に様。


お前は暗殺者だろ?
闇の住人だろ?



なぁ、頼むから答えてくれ。




しばらくそこにたたずんで、部下に帰ると告げた。
入らなくていいのかと言われたが、そのまま帰る。



バタリと自室の扉を閉めると、息を止めていたわけでもないのに大きく息を吐いた。

黒を基調とした部屋にたたずむソファーに身を沈めて目を瞑ると、そのうちあの銀色がノックもせずに訪れてくる気がした。


あの部屋と違ってここは日も当たらない。
ひんやりとした空気が頬を擦った。


陰と陽で言ったら、スクアーロは確実に陽であった。
短気のわりにさっぱりとした性格、バカみたいに前向きでまっすぐで、その大きな声は戦場で皆を奮い立たせた。
真っ白でキラキラと輝く容姿は明らかに日の下にいるべきものだった。

逆に自分はどんなにボス気質でどんなに周りに崇められても、結局は陰の人間だった。
しつこく、滅多に人を信じず、口は重く、何より闇を愛した。



まぶしかったんだ

(おかげで部屋にも入れなかった)

お前はいつでも光の中にいて、こっちを見て笑ってた。

俺が手を離したら、光の中に消えてしまいそうだった。


そう、俺が放してやれば、お前は光の人間だったんだ。



今更、もうあの鮫はいないということを認識する。



「…ふ、ぅ゙…っ」




なぁ、なんで死んじまった?



一生放してやるつもりはなかったのに



デスクの上の届けられた一本の肩紐の入った隊服が目に入った。


(いたんだろ?)

お前も闇の中に。

一緒に。


俺から見たらお前は光の中だったかもしれない。

でもお前はたしかに俺と闇の中にいたんだ。



「スクアーロ…っ」




太陽が傾いて、日が部屋を侵食していた。

その日に手から零れた雫が輝いて、
窓の奥でお前が微笑った気がした。



   もう太陽はまぶしくない






……うん、カオス★(貴様)
なんでうちのシリアスボスは女々しくなる傾向にあるんだろう…

次は鮫も出てくるの書きます(^^ゞ(今回死体←)

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