NOVEL

□しあわせは、
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もうすぐで、俺はボンゴレの10代目になる。
9代目の体調が、ドン・ボンゴレをやっていくにはあまり相応しくなく、自分が正気のうちに後継ぎに継がせたいという彼の意志故だ。

数年前はウジウジ言っていた俺も、今となってはもう腹を括っている。(マフィアは怖いけど)



そんなわけで数ヵ月後に引継ぎをひかえた俺は、下見も兼ねてボンゴレ本部に足を運んでいた。

相変わらず巨大な城に、迷子になりそうなどとぼやいていると、前から見覚えのある姿が歩いてくる。



「スクアーロ!」

「おぉ、ツナヨシ!そのうちコッチ来るって聞いてたけどもう来てたのかぁ」

綺麗な銀髪を長く伸ばした人物、スクアーロ。
前戦ったときは友好の1ミリもなく、そんな彼に俺はただただ怯えていたけど、今となっては彼が意外と付き合いやすい人柄だということを知り、彼も俺を見て朗らかに笑いながら駆け寄ってくれるような仲だ。


「昨日着いたばっかり。スクアーロはどうしたの?」
「んー?あー、ボスの用事でついてきたんだけどよぉ、あいつ9代目見てくる間に車出しとけってさ」
「ザンザスも来てるんだ」

こういう話を聞いてると、相変わらずだなって思う。
ザンザスは相変わらずスクアーロを足蹴にするし、スクアーロも相変わらず上司に口が悪い。

でも、リング争奪戦の後、ザンザスは結局彼らを排除しなかった。
それを聞いた時、なんだか心があったかくなったのを覚えている。
彼は、自分の周りの大事なものに気付けたのかな。



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