NOVEL
□或阿呆の一生。
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そんなヴァリアーの幹部編成の大異動から一月ほど、部下からある報告があった。
ヴァリアーのS.スクアーロはザンザスから繰り返し暴行を受けている
といった内容であった。
元々ザンザス様は多少荒い気性の持ち主で、気に食わぬ相手には突発的に手を下すお方だが、部下によると、その暴行すべてに意味があるわけでなく(あくまで推測だが)、手持ちぶさたになると手がスペルビに向かっているそうなのだ。
こんな世界だ、部下に暴力的な上司なんぞ腐るほどにいる。
しかし、スペルビは齢僅か14才だ。義務教育を終えていない彼の人生が狂うのは、マフィアとて我々も好ましくない。
その上、彼はその歳で剣帝を倒したという逸材だ。
ボンゴレとしても、彼を失うのは少々イタいのである。
丁度よく、今日はヴァリアーのボス、すなわちザンザス様が9代目に定期的な報告をしにくる日であった。
彼はよくボス補佐としてスペルビを連れていることが多いので、今日もその二人の可能性が高い。
とりあえず真偽を定かにしたいので、ザンザス様を探すことにした。
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